2010年8月議会一般質問

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3:ALT(外国語指導助手)の雇用について

1)ALTの雇用の現状について

杉浦市議:
 今年5月、教職員の組合、全教大津支部が、大津市のALTは「偽装請負」であり、是正要求を労働局に申し立てた。
 「業務委託」で派遣されたALTとは直接の雇用関係にないため、学校側が指導、打ち合わせをすると労働者派遣法違反となる。つまりALTと学校・英語教諭との接触・対話は「偽装請負」となる。
 この状況の教育委員会の認識は。
澤村教育長:
 今年5月と6月の2回、市教委と学校現場で滋賀労働局による臨時検査が行なわれた。いずれの調査でもそうした事実は確認できなかったとして、是正指導も改善指導も受けていない。
 本市では、労働者派遣法に抵触しないよう、校園長会やALT連絡協議会等で指導してきた。
 今回の検査結果を受け、本市ではそうした行為は行なわれていないと認識している。

杉浦:
 8月7日付け朝日新聞にこのような記事が掲載された。
 「…女性指導助手は…日本語はほとんど理解できなかった。…子どもたちの騒々しさは増すばかり。ルール違反を承知で、通訳して一緒に授業をすすめるしかなかった」。
 これは大津市内の小学校と聞いている。
 現場での指示などは授業を進めていく上ではやむを得ないことではないか。実態調査はしたのか。
教育長:
 本市ではそうした行為は行なわれていないと認識している。
 よって実態調査は実施していない。


2)ALTを正規雇用することについて

杉浦:
 この問題で、労働局から是正指導を受ける自治体が相次ぐなど、各地でトラブルが。
 英語教諭とALTが意見を交わすと労働者派遣法違反となるような「業務委託」は問題。これでは、子どもたちによい英語の授業が提供できない。
 子どもたちによい教育を与えるという責務を果たす立場にたって、ALTを直接雇用にしていくことが求められるが、見解を。
教育長:
 現在でも各学校ではレッスンプランに基づいたALTを効果的に活用した英語教育、外国語活動の取り組みが成果をあげている。
 一方でいまの契約形態には制約もあると認識している。
 ALTのあり方やさらなる活用方法について研究していく。

杉浦:
 他の自治体で起きている問題が大津市でも起きるかもしれないとは考えなかったのか。現状のやり方で円滑に授業が進むと考えていたのか。
教育長:
 労働局による臨時検査で、偽装請負の事実は確認できなかった。現場の先生方が留意をしてくれていると認識。

杉浦:
 子どもたちは生きている。いろいろなことが授業中に起こることは想定されるはず。
 請け負い業者を介してでないと英語教諭とALTが思いを伝えられないことが、教育現場で行なわれること自体、問題ではないか。
教育長:
 英語や外国語活動担当教員とALTとの連携を適切な形で進めることは大切。ALTのあり方や活用方法については研究をしていきたい。

杉浦:
 子どもたちの教育を生きたものにするために、業務委託というやり方自体に問題があると認識しているのか。
教育長:
 レッスンプラン等にもとづいた有効な指導方法も行なっている。小学校等の英語教育もALTの力を借りながらやり、一定評価。
 したがって業務委託を否定することはない。

杉浦:
 中長期的な展望で、養成の体制を整えてながら、直接雇用にする考えはないのか。
教育長:
 よりよい英語教育、外国語活動のため、直接雇用や派遣契約、あるいは業務委託等の手法の検討も含めて研究していく。